こんにちは。ぼーんぐんです。
こんな広告を見かけました。
「熊本・鹿児島の旬の食材と旅の情報 大阪駅に大集合!」
新幹線マルシェです。
JR西日本とJR九州は、旅客列車による「貨客混載輸送」を通じて、地域や企業と連携した新たな価値の実現や、地域の活性化に取り組んでいます。
鹿児島・熊本の新鮮な食材等を九州・山陽新幹線「みずほ」「さくら」で輸送し大阪駅で販売する、初の「新幹線マルシェ@JR大阪駅」が開催しているんです。
とうもろこし、トマト、ズッキーニなど、鹿児島・熊本で旬を迎えている野菜や果物を当日早朝に収穫し、その日のうちにマルシェ会場にお届けする、「通常の流通では難しい“採れたて”の鮮度の高さ」をアピールしています。
そんなことが出来るんですね。奄美大島のフルーツの”島バナナ”や”すもも””ドラゴンフルーツ”など、スーパーでは、なかなかお目にかかることはありません。
また、鹿児島の”さつま揚げ”や、熊本の”からし蓮根”が冷凍することなく、出来立てを大阪まで届けることができるのは新幹線ならでは。
背景には、新型コロナウイルスの影響で鉄道の利用者が落ち込むなか、新幹線の空きスペースを使って「九州の新鮮な果物や野菜を運び販売する催しをすることで、九州観光に向かう人が増えてくれることを願って」催しているんだといいます。
イベントが大成功して地域の活性化に繋がればいいですね。
そして、このイベントを可能にしている規制緩和が「貨客混載輸送」なんです。
みなさんは「貨客混載輸送」をご存じでしょうか。
貨客混載とは、乗客と荷物の輸送・運行を一緒に行う取り組みのことで、鉄道や飛行機、路線バス、タクシーなどの旅客事業の一部のスペースを荷物の運搬に利用する事です。
2017年9月から国土交通省が、過疎地域などでのバスやトラック、タクシーなどによる貨客混載を一部解禁しました。そして、2020年11月には「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が改正され、貨客混載の手続きを迅速に行えるようになっています。
貨客混載の主なメリットは次のようなものです。
・トラックドライバー不足の解消
・環境への負荷軽減
・労働環境の改善
・物流コストの削減
・EC市場の拡大に伴う配送需要の増加に対応
環境負荷の大きいトラックへの依存を減らすことで「CO2排出量を低減」できますし、公共交通機関の空きスペースを活用して貨物を配送するため「物流コストが削減」できるんです。
また、EC市場の拡大に伴う「小口配送の増加への解決手段」のひとつとして貨客混載が注目を集めてるんですね。
遠い昔、混合列車というものが鉄道を走っていました。客車だけでなく貨車の両方を連結した列車が走っていたんです。
ご存じでしょうか。
しかし効率のよい大規模輸送を目的として客貨分離が進められ廃止された経緯があります。現代、地方での人口減少対策やバス・トラックのドライバー不足などが重なり、客貨分離が必ずしも効率的でない状況も見られ時代を超えて本格的な復活となったのです。
検討すべき課題も多い事でしょうが、これからの広がりに注目したいと思います。
みなさんは如何お考えでしょうか。