こんにちは。ぼーんぐんです。
先日の夕方、庭の植木の水遣りをしていますと、何処からともなく懐かしい匂いがしてきました。
「花火」です。
独特の火薬の匂いと、白い煙のもとを目で追っていきますと、どうやら二軒先のご近所さん宅のようです。時折、庭先からお孫さんのはしゃいだ声も聞こえてきます。
辺りが薄暗くなってきたきましたから、生垣越しにも花火が綺麗にうかがえます。
「パチ!パチ!」
子供が手に持った花火が四方八方に散ります。”松葉”でしょうか。また隣の子は、サーっと降るように火が落ちていく”柳”を楽しんでいます。
「懐かしいな」
幼いころに友達と楽しんだ”ドラゴン”や”ラッカセイ”、そして、蛇のような燃えカスが伸び出る”ヘビ玉”の思い出が蘇ります。
ひとは懐かしさが好きです。
ひとは、まだ経験していない未来よりも、実際に経験した過去のほうがイマジネーションが働くものです。
これは商業施設においても同じことが言えます。
宇宙や未来をテーマにした施設より、昭和の街並みを再現した施設に引き付けられるのです。
もちろん昭和に限ったことではなく、遡れば、「大正浪漫」や「大正エレジー」もありますね。どんな時代にも過去には一定の需要があるのです。
面白いのは、その時代を経験していない人も共感できること。
例えば、昭和を経験していない若い世代の人たちにも昭和レトロが好きな人が多いことなんです。実際に存在した時代だから、現存する昭和時代の施設や過去の映像などを通して疑似体験しているんです。
だから実際にその時代を生きた人と同じように懐かしさを感じられるのです。
これは日本だけではありません。外国でも同じです。
アメリカでは、とても輝いていた50年代が人々のノスタルジーを刺激するのです。「ほのぼのとしていて」「のんびりとした生活」に懐かしさや安らぎを感じる。また、温かみを感じるのです。
みなさんもお好きではありませんかこんな施設。
・再開発に取り残された古い横町の飲み屋街、歴史を感じる建物
・ラーメン博物館や梅田の滝見小路などの昭和初期を再現したレトロな街並
・喫茶店で人気のあった卓上インベーダーゲームや80年代のシティポップ
だれもが自分の過去を重ね合わせて振り返るものです。
これは私たちのビジネスにも応用することが出来ます。
仮に新しく店舗をオープンする際にデザインや商品開発に困ったら、未来ではなく過去に目を向けてみることをおススメします。
お洒落であっても共感を得ない近未来をイメージした落ち着かない店舗より、誰にでも受け入れてもらいやすい過去の景色を取り入れる事です。
ノスタルジーには人を惹きつける不思議な魅力があるからです。
みなさんは如何お考えでしょうか。