ぼーんぐん。ものがたり

日常の暮らしの中で感じる心持ちをつぶやきます。

妄想サイクリング

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


今日は気温が高いですね。

 


仕舞いかけた半袖シャツをタンスから引っ張り出して着ることにします。

 


外は快晴。

 


空はどこまでも青く爽やかな風が気分を若返らせてくれます。

 


きっと今日みたいな日を「サイクリング日和」っていうのでしょうね。遠くの街まで自転車に乗って走っていきたい気分になります。

 

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しかし私には予定があるんです。

 


今日は、かかりつけ医の定期診断の日です。診察のほかにレントゲンと血液検査をしなくてはなりません。

 


採血に備えて昨夜からは何も口に入れていませんが不思議と空腹感はありません。

 


気候がいいからですね。

 


病院までの僅かな道のりを空を見上げながらゆっくりと自転車を漕いでいますとポカポカの陽気でだんだん眠くなってきます。

 


「気持ちいい」

 


自転車を漕ぎながらほんの少しだけ目をつぶり陽気に体を委ねます。

 


視界からの情報をシャットアウトしますと、まるで郊外の林の中をサイクリングしている気分になってきます。

 


市内のビル群も、道路沿いの飲食店も、交通標識も信号もあっという間に視界から消えて無くなります。

 


その状態でイメージを郊外に飛ばします。

 


そう。例えば古都奈良の明日香地方の畦道をゆっくり自転車で散策していると空想してみます。

 


田んぼには、黄金色に輝いた稲穂がこうべを垂れ収穫を待っています。田んぼの脇にはこの時期ならではの曼珠沙華。鮮やかな朱色の列が目に飛び込んできます。

 


「素敵な景色だ」

 


耳をすましてみますと時折り風が吹き抜ける音が聞こえてきます。

 


視線を上げると、小高い丘の向こう側から稲穂を押さえつけながら、まさに今、一陣の風が吹き抜けていきます。

 


「ザザー」

 


私の横をあっという間に通り抜け、反対側の林の葉っぱを揺らしながら奥へと消えていきます。

 


日頃の鬱屈した気分を綺麗さっぱりと吹き飛ばしてくれる様です。

 


「ボブっ」

 


なんだ?

 


今度は臨場感のある妙な音が聞こえました。そして体に強い衝撃を受けました。

 


ゆっくり目を開きますと、現実の世界が目の前に広がります。

 


みなさん。街中で自転車を目をつぶって運転してはいけませんね。

 


私の自転車の前輪は道路脇の街路樹の前。歩道横のラーメン屋のゴミ袋に突っ込んでいます。

 


「いけね、早く病院へ行かなくちゃ」

 


ひととおりの検診が済んだ帰り道、先ほどの妄想の続きを見たくなりました。

 


この後、自宅を通り過ぎサイクリングロードのある河原まで足を伸ばすことにします。

 


こんな気持ち良いい日にウチで過ごすのは勿体無いですものね。少し運動をして汗を流すことにします。

 


みなさんは天気の良い日は何をして過ごしますか。