ぼーんぐん。ものがたり

日常の暮らしの中で感じる心持ちをつぶやきます。

コーヒーカップの遠い記憶からの気づき

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


イギリス生まれの「ウィローパターン」はイギリス人が中国の風景をイメージして陶磁器に描いた柳紋様のことですが、その絵柄に隠された物語をみなさんはご存知でしょうか。

 


先週の話です。

 


私はそのウィローパターンと懐かしの再会を果たしたんです。

 


その日も今日と同じ様な蒸し暑い日。

 


私は汗を拭いながらビジネス街にある老舗の喫茶店でランチを楽しんでいました。

 


食後、次の商談までの時間調整で頼んだ追加のコーヒーが運ばれて来た瞬間、そのコーヒーカップに目が釘付けになりました。

 


ニッコーダブルフェニックスのウイローカップ&ソーサー!

 

f:id:booooooongun:20240725174225j:image

 


私は実に半世紀ぶりの再会です。

 


遠い昔、初めて自宅でコーヒーを飲んだ子供の頃の記憶が鮮明に蘇ります。

 


ただ苦いだけに感じた黒い液体のコーヒーが自宅にあったこのカップに注がれていたんです。

 


「うわぁ懐かしいなぁ」

 


そしてこのカップ&ソーサーの絵柄が、特徴的なウィローパターンなんです。

 


この絵柄をきっとみなさんも一度は目にしたことありますよね。しかし、その絵柄の物語までご存知の方は少ないのではないでしょうか。

 


そこで今日はそんな方に向けて絵柄に表現された物語を紹介することにします。

 


 


昔々中国のあるところに美しい娘を持つ高級官僚がいました。

 


彼は娘をお金持ちの権力者に嫁がせたいと考えていて塀で囲んだ塔の中で侍女に世話をさせながら娘を大切に育てていました。

 


やがて立派に成長した娘は桃の花が咲く時、お金持ちの権力者と結婚式の準備が始まります。

 


一方その裏で高級官僚の部下の1人が、この美しい娘を見染めて恋に落ちていたんです。侍女の助けもあって密会を重ねていたんですね。

 


式の当日、

 


祝宴で皆が酔った隙に気持ちを確かめ合った2人は塔から逃げ出します。そして追っ手を振り切り、無事に船に乗り脱出に成功したんです。

 


ここで話が終わればハッピーエンドなんですけど残念ながらその続きがあります。

 


お金持ちの権力者が雇った追っ手は執拗に2人を探し回ります。そしてとうとう2人は見つかってしまい悲惨な最期を迎えるのです。

 


あぁ涙。

 


その様子を天空から見ていた神様は2人を憐れみ鳥に姿を変えて空に放って自由にしたという物語です。

 


 


ご存知でしたか。悲しい話ですね。

 


ウィローパターンのウィローは柳の木のこと。必ず絵柄の中心に描かれます。左右には塔と塀、桃の木が描かれています。

 


そして橋を渡る2人の姿と追っ手1人の姿。さらに船。空には2羽の鳥の姿。

 


一枚の絵の中に物語の全てが凝縮されているんです。

 


ウィローパターン は240年経った今も世界中にファンがいます。日本でもニッコーがカップ&ソーサーを1915年に発表しており、以降100年超えのロングセラー商品となっているんです。

 


帰宅後、私は懐かしさのあまり当時の色目であるレッドウイローカップが欲しくなりました。

 


昭和時代の古(いにしえ)のカップ&ソーサーが、令和時代のネットの力があればたちまち手にすることが出来る便利な時代です。

 


今、この記事を入力するキーボードの横には香り高いコーヒーを淹れたカップとソーサーが、私が取っ手を持ち上げるのをじっと待ってくれています。

 


キーボードの手を休めて一息

 


ゆっくりとカップを傾けゴクリと飲みます

 


じっくりと抽出したコーヒーは苦味と甘みが絶妙に混ざり合い、ほのかな酸味が後味をさっぱりとさせます。その香りは深く、ほのかな焙煎の香りが口の中に広がります。

 


しかしその味わい以上に、遠い記憶をくすぐるお気に入りのカップを手にする私の心は満足感と充実感で満たされていきます。

 


「ふぅ」深く大きく息を吐き暫し考えます。

 


新しい出会いや古いものとの再会は偶然ではなく次のステージ、新しい世界を開く可能性を秘めたものであると聞きます。

 


出会いは人生に新たな色彩を与えてくれるからですね。

 


新しい人との出会いもまた同じ。成長と学びの場であり、未知の魅力に満ちた冒険なのです。

 


これからもアグレッシブに参りましょう。

 


さぁ次はどんな出会いが私を待っているのか。期待が大きく膨らみます。