ぼーんぐん。ものがたり

日常の暮らしの中で感じる心持ちをつぶやきます。

ワープな日々

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


「気付いたらひと月経ってた」なんて嘘みたいな話を信じられますか。

 


立て込んだ用件をこなしてる間にもう12月。投稿も知らんぷりしていたようです。

 


余裕がないのはいけませんね。

 

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こうやって今年も過ぎちゃうのかと思うと流されずに生きることの難しさを実感するところです。

 


思い返すと今年2023年は出だしから困りました。そう、元日から高熱!コロナに感染し救急搬送されて始まったんでした。

 


息子ともどもね。

 


それぞれ部屋に監禁。部屋の前の廊下まで家内に食事を運んでもらって一週間過ごしてました。

 


その後も暫く調子が上がらず低空飛行。

 


それでも腐らずに前向きにチャレンジすることで、逆に例年にないほどの多くの貴重な経験を積むことができたようです。

 


その結果、食いしん坊と運動不足からくる、ひと回り大きくなった腹回りの贅肉はなんとかせねばなりませんが、

 


内面の成長は満足しています。

 


辛さの中から学ぶこと、気付くことが多くありひと回り大きくなったように思います。

 


さぁ、後一踏ん張り。

 


今年のうちにやり残しのないよう励みます。

あなたなら、どっち?

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


ひと雨ごとに寒さが増し通勤時はスーツだけじゃ寒くなってきました。

 


中に着込むか、それとも外に羽織るか。

 


うーん。どっちもね・・。

 


暖房の効いた電車の中では羽織物が着脱しやすいんですけど荷物になりますし、といって、中に着込むと暑い時に脱げなくて汗ダラダラになって嫌ですよね。

 


みなさんは中に着込む?外に羽織る?どちらですか。

 


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先日、午前の会議が長引いてお昼を食べ損ねた日がありました。

 


行きつけのお店を何軒か尋ねてみたものの既にお昼の定食の時間を過ぎ夕方の仕込みに入っておられました。

 


仕方なしにコンビニでサンドイッチでも買って簡単に済まそうと立ち寄りますと店頭ケースにドーンと陳列していたお弁当に圧倒されました。

 


「なになに・・特製ソースのロースとんかつ弁当っか。美味そうだな」

 


弁当の中の主役のトンカツが、切り身の断面を見せつけて誘ってきます。徐々に食欲を掻き立てられ胃袋が悲鳴を上げる・・

 


レジ後にレンチン。

 


美味しい匂いを引き連れて職場に戻って食べました。

 


最近のコンビニ弁当ってやばくないですか。昔のトンカツ弁当は主役のトンカツと言ってもペラペラが当たり前。まあ、そのチープな味もそれなりに美味いんですけどね。

 


今のコンビニ弁当は、肉厚のブランド豚や人気のお店とのコラボ商品まであるようです。ですから馬鹿には出来ません。味に至っては、そこいらのお昼の定食屋さんに全く引けを取りませんからね。

 


そしてとってもサラリーマンにとって嬉しいのはお財布にやさしい事。

 


安い、美味い、早い

 


何処かの何時かのコマーシャルじゃありませんが、値上げが続く昨今、この三拍子は庶民のニーズを叶えてくれています。

 


食後、満足感に包まれながら熱めのコーヒーを啜りながら遠い目をしていると部下が話しかけてきました。

 


「千林の中村とどっちが好みですか」

 


部下は私が食いしん坊なを知っていて質問をしてきます。私が普段よく「とんかつ食べるなら中村だよ」と言っている事を思い出しての質問なんです。

 


千林とは大阪の地名。

 


そこにある千林商店街近くに数年前にオープンした「とんかつの中村」さんは、サクサク衣にふんわりとした肉質の銘柄豚が堪能できる私のおススメのお店のひとつなんです。

 


銘柄豚とは、林SPF、甘とろ豚、岩中豚、TOKYOXなど。このお店は最高級豚肉への拘りや、火の通し方が他店とは違うのです。

 


提供されるとんかつは分厚くカット。しかし驚くほどスッと噛み切れます。

 


そして中から溢れ出る肉汁で溺れそうになります。豚のサラリとした脂はとっても上質で、とろけた甘みが口いっぱいに感じられます。

 


思い出しただけで・・うーん食べたい。

 


少し考え彼にこう言って返答しました。

 


「中村とコンビニ弁当は比べる物じゃないよ。どちらも美味い。食べる目的というかシーンで選択するからね。そもそもそこに求めるもの、期待するものが違うんだよ」

 


彼は私が明確に返答しないことに不服気味です。

 


みなさんは如何ですか。食事に何を期待しますか。

 


歳を重ねると、食事はただ空腹を満たすだけではありませんよね。

"じわる”って、いじわる?

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


日中あったかいですね。

 


ここ数日は季節外れの暖かさに戸惑っています。

 


あまりの暖かさにタンスに仕舞い込んだ「半袖シャツ」をもう一度引っ張り出して着ておりますが、街に出てみますと皆同様。チグハグな服装をしていて面白かったです。

 


みなさんはどの様な服装でお過ごしだったでしょうか。

 


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さて、子供が大きくなりますと時折”おやつ”を分けてもらえる事があります。”おやつ”、そうお菓子の事です。

 


子供がバイトで稼いだお小遣いで買ってきた”おやつ”を今日も夕食後に分けてくれました。

 


「カントリーマアム じわるバター(チョコにタジタジ)」

 


みなさんこのお菓子をご存知ですか。

 


タイトルだけ見ると何だか良く分かりません。チョコ?クッキー?バター味?不思議なネーミングです。

 


このじわるバター、メーカーサイトでは「バターを使ったコクと香りが引き立つ、“バターがじわる”カントリーマアムにミルクチョコを組み合わせたクッキーです。」とありますが、昭和世代からすると”じわる”ってどういう事よって考えてしまいます。

 


じわる・・どういう意味なのか。

 


じわっと溶けてる感じ?
じわりとしみ込んでいる感じ?
単純にチョコバタークッキーではいいんでは?

 


なんて考えながら封を切りますと、チョコの上にクッキーがのっかってるお菓子でした。確かに食べるとチョコとバターとクッキーが一体感が増しとても美味しく頂く事が出来ました。

 


この”じわる”って言葉、「じわじわくる」を略した若者言葉なんですね。SNSで10年ほどまえから普通に使われているようです。

 


振り返れば「じわじわくる」事って生活の中でもあります。

 


例えば職場で天然キャラの部下が失敗した些細な出来事が、その時はそれほど気にも留めていなかったのに後から思い出すと、じわじわ面白さが増してきてつい吹き出してしまう。繰り返し思い出し笑いをすることがあります。こんな感覚を”じわる”って言うのでしょう。

 


また、いつも小うるさい役員が言った嫌味が、その時は我慢できたのに就寝前に思い出しムカムカしてきて眠れないってのも”じわる”って言うのでしょう。

 


そう思いますと、じわりじわりと迫ってくるのは美味しい事、楽しい事、幸せな事だけにしてもらいたいですね。

 


しかし世の中の現実と言えば見たくないことだらけです。

 


地域紛争、
自然災害、
世界的に蔓延するウイルス、
景気経済の先行き

 


じわりじわり迫りつつある現実から目をそらせたくなります。

 


ここ数日の半袖で過ごせるほどの暖かい気候に体が緩んでしましそうになりますが、着実に冬に近づいているように、

 


一時的な減税策に気持ちが緩みそうになりますが、確実に大増税必至の状況に変わりありません。

 


つまるところ”じわる”って何?

 


生きたまま徐々に弱火で料理されるドジョウ蒸しのごとく、庶民の感覚がじわりじわりマヒさせられる事。

 


要するに、はっきりしない、「い”じわる”(意地悪)」な事とは言い換えられませんか。

食欲の無い原因

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


いや寒くなりました。風の強い日の夜は、薄手のダウンジャケットを手に取ってしまいます。

 


またインフルエンザも平年より早めの流行が予想されています。今年は予防接種を急がないといけないかもしれません。

 


みなさんも薄着による風邪ひきには十分ご注意くださいませ。

 


さて、病気に対抗するには健康な「強い体」を維持することが大事です。「強い体」があれば少々の菌やウイルスは退治してくれますからね。

 


では「強い体」を作るにはどうするか。

 


それにはまずストレスを溜めないこと。夜はぐっすり睡眠をとること。そして適度な運動とバランスの良い食事。

 


これに限りますよね。

 

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しかし私には残念ながら普段から習慣になっているような運動など何一つありません。しいて言えば毎日の通勤ぐらい。最寄り駅までの徒歩しかありませんから、年に一度の健康診断では生活習慣病の兆しを指摘されています。

 


主治医からの指摘を受けるにつけ改めないと駄目だとは感じているもののなかなか行動には移せません。

 


弱い人間なんです。

 


さらに最近体調の変化が出てきました。それは食欲がなくなってきたんです。一言でいうと「ご飯が美味しくない」んです。

 


もともと食いしん坊を自任している私からすると、この変化は大変な事です。特に収穫の時期を迎える秋。市場には新米をはじめ美味い食材が溢れているというのにです。欲しくないんです。

 


あの食材を見ても・・いらん
この食材を見ても・・欲しくない

 


食べたくならないんです。困りました。

 


みなさんの食欲はお変わりありませんか。

 


人は飲食をしないと生きてはいけません。にも関わらず何も食べたくないんです。もうすぐお迎えが来るのでしょうか。

 


そもそもお腹が空かないことには始まりません。

 


お腹が空かないから食欲が出ない。運動をしていないからか。翌朝に空いている筈のお腹が朝もいっぱいなんです。

 


それでも昭和世代の古い人間ですから、家内から出された朝食を残すことはしません。用意してくれた人に失礼に当たりますからね。

 


お昼も同じく、最近は家内のお弁当を持っていきますからお腹が空いていなくても残さずきれいに食べます。ご馳走様ってね。

 


そして夜。

 


「何が食べたい」家内の問いかけに、
「あっさりとしたものでいいや」と答えています。

 


どこか悪いところがあるのかも。

 


そう思って先日かかりつけ医に診察していただくと体重増加と肝機能低下を指摘され毎日の運動を促されます。

 


運動かぁ・・基礎代謝が減っているんだろうな。

 


「運動ってもなあ・・何をするんだい。やたらと宣伝されているchocoZAP(ちょこざっぷ)にでも行ってみようか。」などと冗談半分で考えたりします。

 


一人で黙々とする繰り返し運動はどんなモチベーションですればいいのか。話しながら楽しくできる運動など運動とは言わないだろうし。

 


「ブツブツブツブツ・・」

 


私の独り言をそばで聞いていた娘が明快な答えを出してくれました。

 


「パパの場合は食後のスイーツを止める事ね」

 


さきほど私がコンビニに買い出ししてきたレジ袋を指さした。

 


レジ袋の中には、私の好きな定番スイーツ「どらもっち」と、新発売された、ホイップクリームと一緒に楽しめる大学芋がごろごろ入った「スイーツサンド」が入っています。

 


「やっぱり。これだよな」

 

大抵原因は自分でわかっているんです。それから目を背けているだけ。ちゃんと原因と向き合わないといけませんね。

 


みなさんは分かっていても止められないものってありますか。

布団のシミの思い出

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


寒くなってきましたが、みなさん風邪などひいていませんか。

 


私は最近夜が冷えてきましたから風邪をひかぬようにと毛布を引っ張り出して寝ています。

 


ちょっとしたことですが毛布を足して床に就きますと朝までぐっすり眠ることが出来るんです。

 


嬉しいことは朝方に手洗いで起きずに済むこと。毛布様様!って感じで助かっています。

 


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先日、私が押し入れから勝手に出してきたこの毛布を家内が天日干しくれていました。

 


ついでに敷布団も。

 


その様子をぼんやり後ろから眺めていますと家内が振り返り私に言います。

 


「この敷布団そろそろ買い替えたら?」

 


確かに家内の言う通りかなり古びています。

 


敷布団のシーツを剥ぐと布団表面の生地が所々破けていて中からワタが飛び出しています。

 


「確かになぁ。買い替えるか」

 


私にとってこの布団にこだわるのは、布団のシミが理由なんです。

 


布団のシミ。

 


敷布団には表にも裏にも複数の大きなシミの跡があります。他人が見ると汚れでしかないシミの跡ですが私にとっては大切な思い出のシミなんです。

 


シミの主は、息子と娘。

 


大きなシミな息子のオネショ。その横の少し黒いシミは娘の鼻血のあとなんです。

 


もう何十年前なのか。

 


まだ幼稚園前の2人を冬場は家内と取り合いをして寝ていました。

 


小さな子は湯たんぽのように体がポカポカなんですよね。だから一緒に寝てくれるととっても暖かいんです。

 


でも良いことばかりではありません。

 


ゴロゴロ寝返りを打つので、都度布団を被せないといけませんし、先に話したようにオネショは頻繁です。

 


時には鼻血ブーもね。それでも楽しかったな。

 


鼻血のことは娘本人は気づいてないんです。私が朝目覚めたら娘が真っ赤に染まった布団の中で寝てたので、流石に飛び起きた記憶があります。

 


息子のオネショも大変でした。

 


三枚オムツを重ね履きしてもオネショをする息子はなかなかのモノ。

 


オネショで溺れるかと思うほどよく引っ掛けられました。

 


 


大阪市では今年もプレミアム券の販売申し込みが行われています。一万円で一万三千円。お得ですよね。

 


プレミアム券は一人4口の申し込みですから当たれば一万二千円のお得になります。

 


家内はいいます。

 


「あなたの敷布団は一万二千円の範囲で買ってね。色々物入りなんだからね。」

 


「おいおい、俺の布団はオマケなのかい。当たらなかったら持ち越しかい?」

 


子供達との思い出の布団か、はたまた一万二千円の敷布団か。悩むところです。

餡かけうどん

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


つい先日まで暑くて日中は汗を拭うハンカチが手放せなかったのに、最近は肌寒さが増してきました。

 


もう半袖姿で外出などとんでもありません。長袖と長ズボンに上着まで必要ではないかと迷うほどです。

 


みなさんの地域でもそうではありませんか。寒いですよね。

私の住まう地域では今日は午後から雨も降りだし一層冷え込んできます。

 


「寒いね。なんかあったかいもの食べようか」

 


遅めの昼食を何が食べたいかと聞いてくる妻にそう答えました。暫くして出てきた料理は「餡掛けうどん」です。

 


白菜、玉ねぎ、豚肉、うすあげを関西風のだし汁で煮た讃岐麺に、生姜と片栗粉で餡をかけています。

 


「こりゃいいね。あったまるよ」

 


庭を見渡せるキッチンテーブルに二人で座り、しばし箸を進めます。

 


庭には小雨。

 


その一角にある盆栽棚にもメダカのビオトープにも自然の雨が公平に降り続いています。

 


とても静かです。

 


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つい先日、通勤の乗換駅でバッタリ会った旧友と串カツを食べた際の話を家内にしました。

 


串カツ屋さんから帰る間際に彼は私に悩みを打ち明けました。

 


離職の事。

 


彼は離職を考えているようです。

 


彼の会社は老舗の製造メーカー。その業界の人なら知らない人がいないほど有名なメーカーです。

 


しかしここ数年売り上げが大幅減少。会社のオーナーも複数回入れ替わり廃業もそう遠くない状態だといいます。

 


そんな会社で問題になっていることは従業員の質。

 


先行きのない会社に見切りをつけ有能な従業員から離職をきめ、今まで積みあげてきたノウハウが次代に引き継がれぬまま作業だけが代替わりします。

 


長年顧客第一主義でやってきましたが今は見る影もありません。会社間の信用もなくなりつつあります。

 


先週も顧客からのクレームを営業部署と製造部署で言い争うことがあったようです。

 


ミスの背景は製品のコストダウンを狙って行われた仕上げ塗装の変更。

 


従来の塗装とは製品の色合いが僅かに異なるようです。

 


双方の部署の部門長は幹部会議の中でその旨を聞かされていましたが、現場には十分な周知が行われないまま変更時期を迎えることになりました。

 


現場では何も知りませんからいつものように製品の個別の箱詰めの後、さらにダース単位にまとめた箱詰めを行っていきます。そうして注文に応じて出荷をします。

 


ミスはここで起きました。

 


ダース単位の箱の中に新旧2種類の塗装の商品が混在したものが出荷されたのです。新旧二種類の性能は何も変わりがありませんが顧客からの問い合わせに営業の現場も十分な説明が出来ません。

 


結果、社内の犯人探しになるわけです。

 


「誰が知っていたのか」
「誰が梱包作業をしたのか」
「出荷の際にチェックはしたのか」
「顧客への事前連絡はしていたのか」
などなど

 


この争いは営業部署と製造部署の間だけではなく、製造部署の中でも個々のチーム単位でまた個人単位で行われます。

 


商品を「搬入したもの」「検品したもの」「梱包したもの」「在庫管理者」「出荷担当」・・みな自分の仕事は間違っていないと主張をして一歩も譲りません。

 


残念なことです。顧客はほったらかしです。

 

 

 

どんな職場にもミスは起きます。そしてミスは誰でもが必ず起こします。まずその前提に立てるかどうか。

 


職場で起きたミスを自分事として考えたとき自分なら何が出来るか。指示待ちではなく自分が知りえた情報は自分が発信者として連携することも大事な事。

 


日々改善。これに尽きますね。

 


みなさんならどのようにミスを防ぎますか。

 


***

 


シャキシャキした食感が食欲を増す白菜。豚肉の旨み。もちもちした弾力が持ち味の讃岐麺。

 


それら素材がもっている味を堪能する関西風のだしは、昆布をメインに、煮干しやかつおなどを使った透明感のある豊かなもの。

 


このだしに生姜ととろみがつけばもう最高です。

 


ゴクリと飲み込んだだしは胃袋まで優しく届き、生きている幸せに包み込まれます。

 


「あぁ美味い。餡掛けうどんごちそうさま」

 


どうやら私の家内にはミスはないようです。

茶碗蒸し

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


日本は便利ですね。最近は感心しきりなんです。

 


ボタンを押して暫く待っているとゆったり乗れる車が到着します。そして行きたい場所を伝えると最短のコースを選択して連れていってくれるんです。

 


凄いですよね。

 


しかも親切に車の中から人まで降りてきて私に挨拶してくれます。私は恐縮しながら行きたい場所を伝えるんです。

 


すると今度はさらに驚きました。

 


伝えた場所の空き状況まであらかじめ確認してくれて、万が一席が埋まっていたら別のプランまで提案してくれるんです。

 


それを嫌な顔一つせずキビキビ動作する姿に清々しさすら感じます。

 


どこの「タクシー配車アプリ」の話なのかって?
いえいえスマホで利用するアプリの事ではありません。

 


救急車です。

 


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深夜二時。

 


街は活動を停止して誰も歩いていません。真っ暗闇の中を目的の病院まで一直線で送り届けてくれる隊員達がとても頼もしく思えます。

 


私はベッド横の補助いすに腰を下ろし外の様子を伺おうとしますが、残念ながら車内から社外をのんびり眺める窓はひとつもありません。

 


ただ隊員達の背中越しに僅かに見えるフロントガラスの一部から走行場所を推定する程度です。

 


耳にする音は不思議なものです。

 


あれだけ激しく鳴り続ける救急車両のサイレンの音は、社内ではあまり気にならないんですね。そのような構造なのでしょう。

 


それよりも道路の状態で走行車が前後左右に揺れる度に軋むベッドの音や、搬送者の腕に巻きつけられた血圧計や指先に取り付けられた血中酸素濃度測定器類から出る電子音が徐々に大きく聞こえてきます。

 


ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、
グイーーーン。シューー

 


そして目の前にある測定結果を映し出す小さなモニターが一定のリズムをもって書き換わります。

 


搬送者は私の大切な肉親。

 


ここ数日で二度目の乗車になります。

 


***

 


私は子供の頃、神社仏閣へ詣でると必ず「自分の夢が叶うように」と祈っていました。

 


それが配偶者と巡り合い子供を授かると、妻のため、生まれてくる子供のために手を合わせて祈りを捧げます。

 


ハレの日には子の成長を、受験では努力が実るように、病気にならぬように、楽しい学生生活を過ごせるようにとキリがありません。

 


また、次第に年老いる両親にも同様に尽きる事のない祈りを捧げます。

 


いつの間にか気が付くと自分の願いごとは「家族の無事」「家族の願い」になっていました。

 


みなさんもそうでしょうか。

 


子供が中学生になった頃、私にこんな質問をしてきました。きっと授業で自分の将来について学んだのでしょう。

 


「生きる目的ってなあに」

 


みなさんは子供にちゃんと説明できますか。

 


不意を突かれた私は「自己実現だな。なりたい自分を見つけてそれを達成することだよ」と答えました。

 


さらにそのあと少し考えてから「子孫を残すこと」「自分を大切に育ててくれた人(親)を見送ること」も大事な目的だと思うんだとつづけました。

 


今や令和です。

 


個性を大切にし、多様な価値観を尊重する時代になりましたから一方的に昭和的な古い考え方を押し付けるのは良くないのかもしれません。

 


「生きる目的そのもの自体を探すこと」が一つの解なのかもしれませんね。

 


***

 


救急医療機関にて検査と診察を終えひとまず帰宅しました。点滴を投与されるも相変わらず様子のすぐれない状態のままで経過観察です。

 


どうしたら元気になるだろう。

 


何とか水分だけでも口から採ってほしい。あれこれ考えた末に「茶わん蒸し」ならどうかと思いつきました。

 


「あたたかくて美味しい」

 


そう言ってひと口ふた口と匙から食べてくれる姿を見て、私は嬉しくて脱力します。

 


食べる事って素敵ですね。

 


それは「食べている人」も「それを見ている人」も、そこに居るみんなを幸せにしてくれるからです。

 


今日は「茶わん蒸し」に救われました。

 


ありがとう。祈りは無駄ではありません。