ぼーんぐん。ものがたり

日常の暮らしの中で感じる心持ちをつぶやきます。

餡かけうどん

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


つい先日まで暑くて日中は汗を拭うハンカチが手放せなかったのに、最近は肌寒さが増してきました。

 


もう半袖姿で外出などとんでもありません。長袖と長ズボンに上着まで必要ではないかと迷うほどです。

 


みなさんの地域でもそうではありませんか。寒いですよね。

私の住まう地域では今日は午後から雨も降りだし一層冷え込んできます。

 


「寒いね。なんかあったかいもの食べようか」

 


遅めの昼食を何が食べたいかと聞いてくる妻にそう答えました。暫くして出てきた料理は「餡掛けうどん」です。

 


白菜、玉ねぎ、豚肉、うすあげを関西風のだし汁で煮た讃岐麺に、生姜と片栗粉で餡をかけています。

 


「こりゃいいね。あったまるよ」

 


庭を見渡せるキッチンテーブルに二人で座り、しばし箸を進めます。

 


庭には小雨。

 


その一角にある盆栽棚にもメダカのビオトープにも自然の雨が公平に降り続いています。

 


とても静かです。

 


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つい先日、通勤の乗換駅でバッタリ会った旧友と串カツを食べた際の話を家内にしました。

 


串カツ屋さんから帰る間際に彼は私に悩みを打ち明けました。

 


離職の事。

 


彼は離職を考えているようです。

 


彼の会社は老舗の製造メーカー。その業界の人なら知らない人がいないほど有名なメーカーです。

 


しかしここ数年売り上げが大幅減少。会社のオーナーも複数回入れ替わり廃業もそう遠くない状態だといいます。

 


そんな会社で問題になっていることは従業員の質。

 


先行きのない会社に見切りをつけ有能な従業員から離職をきめ、今まで積みあげてきたノウハウが次代に引き継がれぬまま作業だけが代替わりします。

 


長年顧客第一主義でやってきましたが今は見る影もありません。会社間の信用もなくなりつつあります。

 


先週も顧客からのクレームを営業部署と製造部署で言い争うことがあったようです。

 


ミスの背景は製品のコストダウンを狙って行われた仕上げ塗装の変更。

 


従来の塗装とは製品の色合いが僅かに異なるようです。

 


双方の部署の部門長は幹部会議の中でその旨を聞かされていましたが、現場には十分な周知が行われないまま変更時期を迎えることになりました。

 


現場では何も知りませんからいつものように製品の個別の箱詰めの後、さらにダース単位にまとめた箱詰めを行っていきます。そうして注文に応じて出荷をします。

 


ミスはここで起きました。

 


ダース単位の箱の中に新旧2種類の塗装の商品が混在したものが出荷されたのです。新旧二種類の性能は何も変わりがありませんが顧客からの問い合わせに営業の現場も十分な説明が出来ません。

 


結果、社内の犯人探しになるわけです。

 


「誰が知っていたのか」
「誰が梱包作業をしたのか」
「出荷の際にチェックはしたのか」
「顧客への事前連絡はしていたのか」
などなど

 


この争いは営業部署と製造部署の間だけではなく、製造部署の中でも個々のチーム単位でまた個人単位で行われます。

 


商品を「搬入したもの」「検品したもの」「梱包したもの」「在庫管理者」「出荷担当」・・みな自分の仕事は間違っていないと主張をして一歩も譲りません。

 


残念なことです。顧客はほったらかしです。

 

 

 

どんな職場にもミスは起きます。そしてミスは誰でもが必ず起こします。まずその前提に立てるかどうか。

 


職場で起きたミスを自分事として考えたとき自分なら何が出来るか。指示待ちではなく自分が知りえた情報は自分が発信者として連携することも大事な事。

 


日々改善。これに尽きますね。

 


みなさんならどのようにミスを防ぎますか。

 


***

 


シャキシャキした食感が食欲を増す白菜。豚肉の旨み。もちもちした弾力が持ち味の讃岐麺。

 


それら素材がもっている味を堪能する関西風のだしは、昆布をメインに、煮干しやかつおなどを使った透明感のある豊かなもの。

 


このだしに生姜ととろみがつけばもう最高です。

 


ゴクリと飲み込んだだしは胃袋まで優しく届き、生きている幸せに包み込まれます。

 


「あぁ美味い。餡掛けうどんごちそうさま」

 


どうやら私の家内にはミスはないようです。