ぼーんぐん。ものがたり

日常の暮らしの中で感じる心持ちをつぶやきます。

オムライスは一体感に限ります

こんにちは。ぼーんぐんです。

 


就職で一人暮らしをしていた大昔の話です。

 


当時料理のレパートリーを増やそうとチャレンジしていたメニューがありました。

 


それは、オムライス。

 


みなさんオムライスはお好きですか。

 

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残ったご飯をケチャップで色付けして卵で巻く単純な料理なんですけど、これがなかなか上手に出来ないんです。

 


卵が破けないように巻くのは意外と難しいもので、フライパンの温度や卵のかき混ぜ方にも工夫をした事を思い出します。

 


具材には主にタマネギとかしわ肉を使います。細かく切って中に入れると一層美味しさがアップしますからね。

 


今でも時折当時の味が懐かしくなってフライパンを振るうのですが食べ飽きることはありません。

 


先日、正月休みを利用して街ブラをしておりますと偶然昭和の香りのする一軒の食堂を見つけました。

 


「いい感じの店だね」

 


住宅地の一角にあるポツンとある食堂ですから、長年続いているということは地元の人に愛されてるお店だと言えます。

 


その古びた佇まいに惹かれて店に向かいます。

 


店舗の入り口には最近では見かけることも少なくなった正月の"しめ飾り"が迎えてくれます。

 


中に入りますと地元民の先客が二組、既に料理を楽しんでいます。

 


店内の様子を伺うとどうやら老夫婦お二人だけで切り盛りされているようです。奥の調理場はご主人が配膳係が奥様の分担でしょうか。

 


何を食べようかとズラリと壁に並んだメニューの札を眺めますと、中程にオムライスの文字を見つけます。

 


「オムライスをひとついただけますか」

 


注文しますと早速調理場から忙しく卵をかき混ぜる音が聞こえてきます。続いてフライパンで具材を炒める音。

 


どんなオムライスと対面できるんだろうと期待が膨らみます。

 


暫くしますと、奥様がカネのお皿に乗ったシンプルなオムライスを運んでくれました。

 


「おまちどうさま」

優しい声と笑顔でテーブルへ並べてくれます。

 


思ったより大盛り!

 


ランチにしてはボリューミーですが綺麗に巻かれたツヤツヤの卵肌がご主人の腕前と味を悟らせてくれる一品です。

 


早速、ナプキンにくるりと巻かれたスプーンを取り出し、表面のケチャップを軽く伸ばしてスプーンを突き刺します。

 


ジューシーな卵が破られ中のケチャップライスがあらわになります。

 


「うーん美味そう」

あたりに漂う匂いを吸い込みます。

 


いよいよその味をいただきます。

 


ひとくち分に取り分けたスプーンを軽くふぅふぅ冷ましてから口の中へ。

 


モグモグ。うまーい。

 


ケチャップライスと卵が一体となった絶妙な味に感嘆!そっと目を閉じて咀嚼しその後胃袋に流し込みます。

 


続けて二口三口とスプーンを往復させます。

 


最近気になっていたんです。今時のオムライスときたら妙に気取ったものが増えてるから。

 


ソフトクリームの様に渦巻き状に丸めた卵をライスに乗せるタイプがあったり、

 


ふんわり卵をライスに乗せた後に卵に切り込みを入れてジューシーさをアピールするタイプがあったりと、

 


オシャレ感だけがクローズアップしたオムライスが幅を利かせていませんか。

 


私の好みは違うんです。

 


昭和男と言われようともケチャップライスを卵で巻き込む昔ながらのオムライスが好きなんです。

 


いま目の前にあるオムライスの様に見た目に派手さはなくても、卵とケチャップライスの一体感が他とは違うと思うんですよね。

 


オムライスは一体感!これですよ。

 


今日は久しぶりに美味いオムライスに出会えました。これでワンコイン500円とはね。

 


ご主人恐れ入りました。

 


派手さはなくてもお客さんのお腹と心を満たしてくれる食堂はここに健在です。

 


私も流行り廃りに振り回されない生き方の参考にさせていただきます。

 


ご馳走様でした。

 


今年はとてもいい年になりそうだ。