こんにちは。ぼーんぐんです。
女性誌販売部数の圧倒的ナンバーワンの雑誌「ハルメク」をご存じでしょうか。これは書店には並ばない定期購読の雑誌なんです。
その雑誌の敏腕編集長である山岡朝子さんのインタビュー番組をやっていましたが、みなさんはご覧になったでしょうか。
低迷していた発行部数をV字回復させたポイントを披露されていましたので、ご覧になっていない人へ向けて簡単に紹介しますね。
この「ハルメク」はシニア紙でありながらスマホテクニック特集などを扱うような、従来の常識を打ち破る雑誌なんです。
昨今、出版不況が騒がれるなかでも成果を上げたのはつぎの3つのポイントがあると言います。
・先入観を捨て読者に近い存在になる
・徹底したデーター収集と分析
・読者に聞き結果分析する
まず最初に心がける事はシニア誌を作る意識を捨てる事。ターゲット世代向けの大人の女性誌を作る意識になる事のようです。
この違いは大きいのです。
「シニア」という言葉から連想される固定化された先入観から紙面作りをスタートしてしまうと、読者が求めているものとは違うものになるからなんです。
例えば一般的に語られるシニアのイメージとは、お金があって、時間があって、悩みがないみたいな感じになりがちです。また興味あるテーマも年金、健康など偏ってしまいがちですが実際はそうではありません。
言葉だけから連想される思い込みスタートでは無く、女性誌だと思う事で幅広くテーマ設定が出来、紙面を構成する視点になるんですね。
その視点を持った上で、シニアへの具体的な落とし込みをする事で読者に届く内容にするんです。
ではどのようにシニアの気持ちになりきるのでしょう。
それは自分の中にシニアのイメージを積み上げる努力をする事なんだと言います。しかも漠然としたもので無く、髪型、服装、持ち物や、趣味思考に至るまで、自分の中にシニアの具体的なイメージ化をしていくんです。
また、シニアイメージを具体化する作業で役に立つ情報は読者から届くハガキや手紙。仮説を立てて企画を練る際にこのハガキを読み込む事で自分の中にリアルなシニアの視点を持つことが出来るそうです。
どの様な悩みを持っているのか。その解決策はないのか。出てきた解決策は使えるものか。実際に検証したらどうだったか。
繰り返し企画を練る事で読者の求めるものに近づきます。
さらに読者に提供した結果もまた重要なデータとして積み上げていきます。そのフィードバックの仕組みも予め作り込んでおく事でPDCAサイクルが精度良く回っていくのですね。
「ハルメク」は定期購読誌ですから、読者とのつながりが強みなんです。読者の属性をおさえた上で紙面を介してコミニュケーションが成り立ちます。
この読者との相互コミニュケーションが一体感となり熱烈ファンを生み出しているんですね。
「ハルメク」には没になった企画もあります。それは「ハルメク」らしさを発揮できないと判断した企画です。既に世に出ている他誌で充分カバーしていると判断した情報は撤退を厭いません。まさに選択と集中ですね。
最後に「ハルメク」の成功の基準を話してくれました。「ハルメク」は読者の役に立った、便利であるだけでは物足りません。読者の期待値の上をいく感動を与える事なんだといいます。
それには座談会を活用して、アンケートからの顕在化したニーズだけではなく、コミニュケーションの中から掘り起こす潜在的なニーズの把握こそが大事であり感動を与えるポイントだといいます。
「他誌にはない情報を読めて良かった」
読者のそんな声が聞きたい一心で今日も思い込みを捨ててデータから本質を捉える努力を続けています。
巷でよく耳にする、顧客価値最大化、データ分析、選択と集中、PDCA循環、組織対応、双方向コミニュケーション。
山岡朝子さんは「ハルメク」でその全てを実践されているんですね。
次は山岡朝子さんの人間力に興味が湧いてきました。
みなさんは如何お考えでしょうか。