ぼーんぐん。ものがたり

日常の暮らしの中で感じる心持ちをつぶやきます。

小学校の先生の教え

こんにちは。ぼーんぐんです。

 

夕飯時にコオロギの鳴き声が聞こえてきました。

 

「いい鳴き声だね」

 

つい聞き入ってしまいます。

 

まだ日中は暑さが体に堪えますが、季節は秋に移ろっているのですね。

 

そういえば子供の頃、友達と野原で捕まえたコオロギを虫かごにいっぱい詰め込んで実家で飼っていました。

 

キュウリや茄子のヘタを与え、霧を吹いていた事を思い出します。

 

 

遠い昔。小学生の頃の思い出です。

 

小学生の思い出といえば、道徳の時間の先生の話を思い出します。

 

ある時、クラスのみんなにこんな質問をしたのです。

 

「みんなの嫌いな虫や生き物は何ですか。3つ教えてください」

 

友達同士顔を見合わせながら、めいめいの嫌いなものを口にします。

 

私は3つ紙に書きだしました。

 

「ヘビ、クモ、ゴキ・・」

 

先生はみなが紙に書き出した頃合いをみて、次にこう言ったのです。

 

「では今書き出した、みなさんが嫌いな3つのもの。そのうちの一つをペットにして可愛がらなきゃいけないとしたらどうしますか。どれをペットにしますか」

 

教室は大いに盛り上がりました。

 

「ムリー、出来ないよ」「絶対いやだー」

 

先生が言うように、ペットとして飼育するにはお世話が必要になります。

 

「毎日のエサの準備」「飼育小屋の掃除」「時には触れ合って気持ちを通じ合わせ」なければなりません。

 

「そんな事は出来ないよ」と言ってしまえばそこまで。教育にはなりません。小学生ながら、なんとかならないかと一生懸命考えてみました。

 

先生は教えます。

 

「難しい人は、その生き物の良いところは何かと考えてみて」っと。

 

私は考えました。

 

ヘビの良いところ。

 

白ヘビは神の化身だと聞いたことがある。また、ヘビの抜け殻を財布に入れるとお金持ちになるとも。ひょっとしてヘビをペットにしたら良い事あるかも。

 

次にクモの良いところです。

 

うーん。クモはクモの巣を張る習性があり、その様子から色んな情報が集まって物知りになれる、友達がたくさんできる。ひょっとしてクモをペットにしてみたらよい事があるかも。

 

最後にゴキは・・・。これは難題です。でも、ある曲を思い出しました。

 

コガネムシ~は、金持ちだ~” 昔から耳にする曲です。

 

昔から金持ちの家にはコガネムシが沢山いる話から出た歌だと聞いたことがあります。

 

でも歌に登場するコガネムシは実は蔵に積まれた貯蔵米にたかるゴキだったことを思い出したんです。ひょっとしてゴキをペットにしたらお金持ちになれるかも。

 

私はこれで3つともクリアーです。

 

友達もそれぞれ好きになる努力をしました。

 

授業の最後に先生は黒板に「相手のことを知ろう」って板書したんです。そして説明を始めました。

 

いやだと思う気持ちは何処からくるのか。

 

実は相手のことをよく知らないから、見た目や印象、そして噂から嫌いになることが多いのだと教えます。またこれは虫に限った話ではなく、お友達同士もそうなんだよといいます。

 

先入観だけで判断しないで、相手のことを知る努力をして、ふれあい親しみを持つと関係性はもっと深められるんだよと。

 

社会人になってからも時折この先生の教えを思い出します。

 

自分との見た目の違いや、考え方の違いで好き嫌いを判断してはいけないこと。仮に威圧的な態度や口調で周りから嫌がられている人がいたとしても、相手のことを知ろうと努力し懐に入ると意外と面倒見の良い人だったことも多いものです。

 

もちろん、逆立ちしても肌の合わない人の組み合わせは確実に存在します。

 

綺麗ごとではなく無理なものは無理。

 

そういった場合は無理をせず、挨拶程度の大人の付き合いをすればよいのです。

 

秋を感じる庭先のコオロギの鳴き声から昔話をひとつ紹介しました。

 

みなさんは如何お考えでしょうか。