ぼーんぐん。ものがたり

日常の暮らしの中で感じる心持ちをつぶやきます。

「甘辛」人生

こんにちは。ぼーんぐんです。

 

土用の丑の日ですね。

 

みなさんは本格的な夏を前にして、元気をつけようと食べたくなるものは何でしょうか。

 

「もちろん鰻だよ」

 

そのような声が聞こえてきそうですが私は違うのです。

 

 

私がこの時期食べたくなるのは、みんなで囲める鍋「すき焼き」なんです。

 

ぐつぐつ煮込んだ鍋をみなで囲めば身体だけでなく心までほっこりあたたかくなりませんか。

 

今日は近くのスーパーで「鰻のコーナー」ではなく「牛肉コーナー」に立ち寄って少し高めのお肉を買い求める事にします。

 

「すき焼き」にはメインとなる牛肉選びが重要です

 

薄すぎず厚すぎず、ほどよい大きさにカットした普段食べないワンランク上のお肉を求めたいものです。

 

次に欠かせない白ネギは甘みと辛みのバランスが良いしっかりとしたものを選びます。他にも、豆腐、糸こんにゃく、えのき、白菜、春菊、お麩と、好みの食材を選びます。

 

この厳選された食材を「たっぷりの砂糖」「醤油」「みりん」でシンプルに調理します。

 

出来上がった「すき焼き」を卵を溶いた器に入れるとマイルドになった甘辛味と、やわらかな霜降り牛の肉汁が口中に広がって、思わず顔がほころぶこと間違いありません。

 

野菜には醤油ベースの味が染みており、噛むたびに甘みが広がります。

 

日本人にとって馴染み深い醤油と砂糖の組み合わせは、食材そのものの味を一つひとつ際立たせ、絶妙といっていいほどにマッチしますよね。

 

実は「すき焼き」には東西の違いがあることをご存じでしょうか。

 

関東風のすき焼きは「煮る」要素が強く、関西風のすき焼きは「焼く」要素が強いんです。関東風に慣れている方は驚くかもしれませんが関西風のすき焼きは圧倒的に水気が少ないのです。関西は野菜から出た水分で頂くからです。

 

関西風の「焼くタイプ」のすき焼きは、作り方が違います。

 

牛脂を使ってお肉を焼き、お砂糖で軽く絡めてからから野菜を入れるので、牛の旨味たっぷりのお肉のコクが出た甘めでしっかりした味わいのすき焼きなんです。

 

うなぎの割き方が東西で異なるのは有名ですよね。

 

関東の背開き、関西の腹開き。そしてうなぎを蒸してから焼き上げる関東風と蒸さない関西風。

 

「すき焼き」も「鰻」も東西どちらが優れているということではなく、どちらも美味しいですね。

 

そして味付けは、万人に好まれる甘くて辛いが一番です。

 

この「甘辛」の味付けは、特に料理に限ったことではなく、人生にも共通していると思いませんか。

 

「辛さが甘さを引き立てて、甘さを辛さが引き締める」

 

「強さの中にある優しさ、慈愛に満ちた厳しさ」

 

そうです。人生も同じです。

 

人の心は反対方向に引き合う中で発生する喜怒哀楽を求めているんです。

 

感動に満ち溢れた濃厚甘辛を求めるか、刺激を避けたうす味がいいのか。

 

全て身の回りに起こることに無駄はないということです。

 

一口目の甘い辛いで好き嫌いを決めるのではなく、身の回りの起こること全てをバランスよく調理して、深いうまみのある毎日を過ごすことが幸せなんでしょうね。

 

さあ、本格的な夏を前にした「土用の丑の日」に、みなさんは何を召し上がりますか。